名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
類稀なる魔法の才覚を持った天才バージルが、貴重な生涯をたった一つの魔法だけに捧げ、天寿を全うするその際でようやく習得が叶った最難度魔法。
その習得の難しさから、魔法の中で唯一『五階位』の位を与えられた。
魔法の種類は数千にも及ぶと言われているが、飛行を可能にする魔法は【神の見えざる翼】の他に見つかっていない。
三階位や四階位の魔法を並列発動すれば、似た事象を引き起こすことはできるけれど、それも少しの間浮いたり高く跳んだりすることができるだけ。
空を泳ぐように自由に飛び回れるらしい【神の見えざる翼】とは似ても似つかない劣化版だ。
私もこの五階位魔法の【神の見えざる翼】だけは、魔導書を読んでも習得ができなかったんだよね。
バージルの魔導書を見る度に悔しさが蘇ってくる。
「使ってみたいけど、全然感覚が掴めないんだよね……」
魔導書を読んでも習得できなかった魔法は、今までこの【神の見えざる翼】だけ。
空を自由に飛べるようになる魔法なんて、人類の夢そのものだ。
だからこそこれは、今までで一番多く書き写された魔導書と言われている。
いつかは絶対に使えるようになりたいな。
と、切実にそんなことを考えていると、不意に書斎に一人の人物が入ってきた。
「ローズマリー、ちょっといいかな」
「んっ? どうしたのディル?」
「次の開拓作戦の日程が決まったんだ。そこにローズマリーも参加してもらう」
その習得の難しさから、魔法の中で唯一『五階位』の位を与えられた。
魔法の種類は数千にも及ぶと言われているが、飛行を可能にする魔法は【神の見えざる翼】の他に見つかっていない。
三階位や四階位の魔法を並列発動すれば、似た事象を引き起こすことはできるけれど、それも少しの間浮いたり高く跳んだりすることができるだけ。
空を泳ぐように自由に飛び回れるらしい【神の見えざる翼】とは似ても似つかない劣化版だ。
私もこの五階位魔法の【神の見えざる翼】だけは、魔導書を読んでも習得ができなかったんだよね。
バージルの魔導書を見る度に悔しさが蘇ってくる。
「使ってみたいけど、全然感覚が掴めないんだよね……」
魔導書を読んでも習得できなかった魔法は、今までこの【神の見えざる翼】だけ。
空を自由に飛べるようになる魔法なんて、人類の夢そのものだ。
だからこそこれは、今までで一番多く書き写された魔導書と言われている。
いつかは絶対に使えるようになりたいな。
と、切実にそんなことを考えていると、不意に書斎に一人の人物が入ってきた。
「ローズマリー、ちょっといいかな」
「んっ? どうしたのディル?」
「次の開拓作戦の日程が決まったんだ。そこにローズマリーも参加してもらう」