名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
それからサイプレスは、ディルに憧れて魔術師の道を選ぶことにした。
大人たちの怖さに怯えて、言いなりになり続けてきた弱い自分を変えるために。
両親にはもちろん反対されたが、秘密裏に自己鍛錬を積み上げて、自信を持つことができたサイプレスは最後にはその反対を押し切ってみせた。
そしてディルという現代の至宝をより近くで見るために王国軍へも加入し、軍内で決められている術師序列でも五位の座を獲得した。
それからディルと接する機会も増え、彼の開拓事業の手伝いにも嬉々としてついていき、近くで過ごすうちにますます彼の凄さに感銘を受けた。
生まれながらに現役の王国軍の魔術師に匹敵する魔素量。
人並外れた想像力とセンスによって、息を吸うようにあらゆる魔法を習得する秀才。
マリナード一族の末裔に相応しい怪物のような逸材だ。
だからこそ、そんなディルが魔法学校の成績で女性魔術師に負けたということが、いまだに信じられずにいる。
(確実に何かしらの不正を行ったはず。でなければディル様が魔法の分野において遅れをとるはずがない。それを今ここで暴いてみせる)
サイプレスがローズマリーに模擬戦を挑んだのは、開拓兵たちの間に残っている懸念を晴らすためではない。
もちろんそれもあるが、一番の目的はローズマリーの力の秘密を暴くためだった。
ディルが女性魔術師に負けるなど、何かしらの不正があったに違いないと確信しているから。
開拓兵たちの前で模擬戦をやれば、確実にその不正の片鱗が顔を覗かせるはず。
ディルこそが現代最強の魔術師であり、自分の中にある完璧な英雄像だと、サイプレスは証明したくて仕方がなかった。
大人たちの怖さに怯えて、言いなりになり続けてきた弱い自分を変えるために。
両親にはもちろん反対されたが、秘密裏に自己鍛錬を積み上げて、自信を持つことができたサイプレスは最後にはその反対を押し切ってみせた。
そしてディルという現代の至宝をより近くで見るために王国軍へも加入し、軍内で決められている術師序列でも五位の座を獲得した。
それからディルと接する機会も増え、彼の開拓事業の手伝いにも嬉々としてついていき、近くで過ごすうちにますます彼の凄さに感銘を受けた。
生まれながらに現役の王国軍の魔術師に匹敵する魔素量。
人並外れた想像力とセンスによって、息を吸うようにあらゆる魔法を習得する秀才。
マリナード一族の末裔に相応しい怪物のような逸材だ。
だからこそ、そんなディルが魔法学校の成績で女性魔術師に負けたということが、いまだに信じられずにいる。
(確実に何かしらの不正を行ったはず。でなければディル様が魔法の分野において遅れをとるはずがない。それを今ここで暴いてみせる)
サイプレスがローズマリーに模擬戦を挑んだのは、開拓兵たちの間に残っている懸念を晴らすためではない。
もちろんそれもあるが、一番の目的はローズマリーの力の秘密を暴くためだった。
ディルが女性魔術師に負けるなど、何かしらの不正があったに違いないと確信しているから。
開拓兵たちの前で模擬戦をやれば、確実にその不正の片鱗が顔を覗かせるはず。
ディルこそが現代最強の魔術師であり、自分の中にある完璧な英雄像だと、サイプレスは証明したくて仕方がなかった。