名門の魔法学校を首席で卒業した私、「女のくせに生意気だ」という理由で婚約破棄される〜代わりにもらってくれたのは、入学からずっと首席争いをしていた次席のライバル王子でした〜
「あのサイプレスが、負けた……?」
「王国軍でも序列五位の魔術師なのに」
「しかも魔法を一度も使わずに……」
模擬戦の敗者となったサイプレスは、怒りと疑問を同時に抱き、思わず口からこぼしてしまう。
「魔法を、無効化しているのか……!?」
種明かしを求めたわけではない。
けれどその呟きを聞いたローズマリーは、親切にもサイプレスに明かした。
「そこまで大層なことはしていません。私はただ魔装を、表面的にではなく局所的に張っていただけです」
「きょ、局所的?」
言葉の意味がわからず放心する。
その疑念を感じ取ったように、ローズマリーはさらに説明を続けた。
「魔装は術者の身を守るための魔素の鎧で、基本的に意識せずに展開させた場合は、全身を満遍なく纏うために全面的に張ることになります。しかしそうすると、魔装は薄くて脆いものになり、容易に削られて修復を余儀なくされます」
「その修復に魔素を消費させて、魔素の枯渇を狙うのが、一般的な模擬戦の形のはず。何もおかしいことは……」
「ですので私は、攻撃を受ける箇所一点に魔素を集中させて、より強固な魔装を作ったんです」
「魔素を、一点に集中だと……?」
「王国軍でも序列五位の魔術師なのに」
「しかも魔法を一度も使わずに……」
模擬戦の敗者となったサイプレスは、怒りと疑問を同時に抱き、思わず口からこぼしてしまう。
「魔法を、無効化しているのか……!?」
種明かしを求めたわけではない。
けれどその呟きを聞いたローズマリーは、親切にもサイプレスに明かした。
「そこまで大層なことはしていません。私はただ魔装を、表面的にではなく局所的に張っていただけです」
「きょ、局所的?」
言葉の意味がわからず放心する。
その疑念を感じ取ったように、ローズマリーはさらに説明を続けた。
「魔装は術者の身を守るための魔素の鎧で、基本的に意識せずに展開させた場合は、全身を満遍なく纏うために全面的に張ることになります。しかしそうすると、魔装は薄くて脆いものになり、容易に削られて修復を余儀なくされます」
「その修復に魔素を消費させて、魔素の枯渇を狙うのが、一般的な模擬戦の形のはず。何もおかしいことは……」
「ですので私は、攻撃を受ける箇所一点に魔素を集中させて、より強固な魔装を作ったんです」
「魔素を、一点に集中だと……?」