奴だけには恋したくなかった

こんな事頼めるの、おまえだけなんだよ

まずは、ビールをジョッキの半分まで飲んだ。

「どういう事?」

親から勧められた結婚?

しかも、断る為に?

「どういう事もないよ。美月が俺の彼女として俺の親に会って、私がいるので他の人とは結婚させません。って言ってくれればいいんだよ。」

「何、それ。私が言うの?」

「俺が言うより、美月が言った方が、信ぴょう性高いだろ。」

うーんと考えてしまった。

確かに。

隣にいるだけよりも、私が断った方が真実味ありそう。


「でもさ。何で、私なの?」

こいつだったら、そんなお願いきいてくれる人なんて、腐る程いそう。

「他の女に頼んだら、図に乗るだろ。」

「あのさ。一度聞きたかったんだけど。」

この際だから、はっきり言うわ。

「何?」

「女を何だと思ってるの?性処理の道具じゃないのよ。」

「よく、そんな言葉口にできるな。」
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