恋愛小説

私の幼馴染のひろくん。

幼稚園の頃からずっと一緒で。

弟みたいなかんじ。

個人的には付かず離れずの距離感が、心地よい。

「由美、バイバイ。また明日。」

「遥、また明日ね。」

そう言った後、私はそっと踵を返した。

その数秒後。

にゃ~んという、間抜けた声が何処からか聞こえてくる。

「 ん?」

私は声がする方へと首を向けた。

視線の先には、可愛い猫が写っていた。

「可愛いー。」

まだ幼くて真っ白な子猫。

身体は雨に濡れている。

私はそっと抱き上げた。

いよいよ本降りになりそうなので、ひとまず避難しよう。

「、、、、あれ?」

なんか、変だ。

背筋がゾクッとして後ろを振り返る。

あ。車、、、。

そう気付いた時には、身体が固まってしまい動かない。

「バカ!!」

そんな大声で弾き飛ばされた。

塀にぶつかりながらも子猫を抱きしめていた私の前で。

男の子が、真っ青な顔で立っていた。

その顔は傘も差さずに雨に濡れていて恐らくサラサラの金髪と真っ白な肌に綺麗な瞳。

(イケメンが台無し、、、、。)

柄にもなく雨に打たれながらそう思っていた。
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