首なしアリスは■■のもの
……どうしてそんな質問をするのか、わからなかった。
答えは決まっている。
「可哀想だと思うよ……」
「どうして?」
――その問いをしてくることこそ、どうしてか聞きたい。
聞くまでもなく、千結は可哀想に決まっている。
「だって、あんなふうに殺されて……心は可哀想だと思わないの?」
「思うよ、すごく。すっごく、可哀想。一番可哀想なのは、あんなに好きだった白羽部長を失ったことかな」
「……そう、だよね。私たちもさ、今も白羽部長がいてくれたら、こんなにひどいことにはならなかったかもしれないね」
「……本当。他の男子は頼りにならないし」
そう言う心の冷たい表情に、一瞬、言葉を失った。
心はみんなのことをそんなふうに悪く言ったりはしない。
そう思っていたから、今の心を受け入れられなかった。
「そ、そんな――水無君がいるじゃん! 心のこと大切にしてくれるでしょ? 優しくてしっかりしてるところとかさ、白羽部長にちょっと似てるし!」
私なりの精一杯の言葉だった。