首なしアリスは■■のもの
みんなが頼りにならないなんて、そんなこと思ってはいけない。
みんなが被害者で、それでも頑張っているのに。
心にもそれをわかってほしかったけれど、意見がぶつかり合うのが怖くて口に出すことはできなかった。
「ねえありす、私ね」
いつもの心ではない。
私の知っている心ではない。
そう思えてしまうほどに、心は無表情を貫いている。
「何……?」
恐る恐る訪ねると、心は嘲るように、口の端を吊り上げた。
「水無と別れたよ」
……今度こそ、言葉を失った。
どうして――あんなに仲がよかったのに。
こんな状況のせいではないのか。
喧嘩別れではないのか。
二人にそんな道を辿ってほしくなかった。
「な、んで……?」
理由なんて聞いていいものかと躊躇ったが、気づけば口を動かしていた。
「なんでだろうね、なんでだと思う?」