首なしアリスは■■のもの
「水無君! 何もなかったの?」
「うん……ありすも?」
「んー……意味の分からないメッセージならあったけど……他は何も」
「メッセージ……意味、わからないんだ?」
メッセージはおそらく私に宛てたものだったが、『夢から覚めて』の意味はまったくわからない。
私が頷くと、水無君は一つ、ため息を零した。
『――二人とも』
咲真の声が響いた。
真剣な声音で何を言うのかと、じっと耳を澄ませる。
『俺はこれ以上、どうしたらいいかわからない……犯人の元にも、出口がないなんて』
……私も同じ気持ちだった。
逃げ道なんて、本当にあるのだろうか。
『……やっぱり後は、犯人の言葉に従うしかないかな』
それを聞いて、背筋に冷たいものが走った。
犯人の言葉に従う――それはつまり。
『ハートの女王を処刑しないとダメなんだ。どっちがハートの女王なんだ?』