首なしアリスは■■のもの
首なしアリスは■■のもの
「どうして……?」
すべて、水無君のせいだったなんて。
まだ、心のどこかで信じることができなかった。
けれど目の前のハートの女王は、少しも悪びれる様子もなく微笑んでいる。
「どうして、って、何が?」
すべてだ。
どうしてみんなを殺したの?
どうしてみんなを騙したの?
「……全部だよ」
「んー、難しい質問だね。無知なありすには初めから教えないとわからないかな」
この期に及んでもまだ飄々としている水無君が憎らしい。
その思いを体現するべく、睨みつけた。
「……そんなに怒らないで、ありす。僕は君のことが嫌いでこんなことをしているんじゃないんだから」
「じゃあ、どうして……!」
「君のことが好きだからだよ」
水無君が何を言っているかわからなかった。
私のことが好き?
心の勘違いではなく、本当にそうだったの?
本当だとしても、どうしてみんなの命を奪う必要があるの?