首なしアリスは■■のもの
「どうやら、本人以外は入ってはいけないみたいだ。他の部屋にも書いてあるよ」
とりあえず部屋の中を見るのは後回しにして、廊下を進む。
端まで来たところで、三階に上がることにした。
二階には、白羽部長、咲真、私、千結、祐奈の部屋が並んでいた。
「三階建てなんだね」
「よかった……まだまだ上があったらどうしようかと思った」
後ろで水無君と心が話している。
三階に上がると、階段はそこで終わっていた。
「んー、同じみたいですね」
三階も一通り歩いた限り、二階と同じ造りのようだった。
波多君、恭君、水無君、心、桃矢君の順で部屋が並んでいた。
「とりあえず、入ってみねえと」
波多君が言ったが、ここは桃矢君の部屋の前。
きっと彼なら嫌がるはずだ。
「え、俺が最初? 無理無理、一人で入らなきゃダメなんだろ?」
……やっぱり、予感は的中した。
入るのは自分だけでも、みんなが傍にいるんだから大丈夫なのに。
「じゃあ、私が最初に入ってくるよ」