首なしアリスは■■のもの
咲真に顔を覗き込まれて、ふと我に返った。
「あ、ご、ごめん! ちょっと考えごとしてて……」
咲真に心配させたくなくて、あたふたしてしまったが、それすら冷静に見つめられている。
「不安なのは同じだけど、俺が守ってやるから大丈夫。何でも言って、無理すんなよ?」
ぽん、と頭を撫でられた。
そんな言葉と共にそんなことをされたら、恥ずかしくてたまらなくなる。
きっと顔が紅潮しているであろう私を見て、咲真が小さく笑った。
「じゃあ、みんなそれぞれ部屋を見てみようか。くれぐれも気をつけて」
そう言った白羽部長の手から、それぞれに鍵が渡される。
部屋を見た三人ももう一度よく調べると言って、散り散りになった。
私と咲真も二階の自分の部屋へ向かう。
「いいか、気をつけろよ」
「うん、咲真もね」
息をのんで、咲真と同時に隣同士のドアを開いた。
ドアの向こうにはやはり、曲がり角がある。
恐る恐る歩みを進めると、そこには豪華、という単語がぴったりの部屋が広がっていた。
「わぁ……」
思わず声が漏れる。