首なしアリスは■■のもの
誘われたのは、
「そういえばさっき、水無と心がもう一度外を調べるって出て行ったよ」
咲真にそう教えられ、私たちも行こうと提案した。
屋敷の重い扉を開けて、思わず目を細めた。
薄暗い屋敷内にいたせいで、太陽の光が目に突き刺さってくるように感じる。
目が慣れると、一際異質な存在であるギロチン台が嫌でも目に留まる。
「……咲真、私たち、大丈夫だよね」
「大丈夫だよ、きっと」
握られている手に力が入った。
根拠は無くても、どこか安心できる響きの言葉だった。
それにしても、白々しく佇んでいる、遊園地にあるようなオブジェは異質だ。
部屋にもいえることだけれど、かわいらしさを演出してどうしようというのか。
……もしかしたら、不思議の国のアリスの世界観を模倣しているのかもしれない。
庭園には、水無君と心の他に白羽部長がいた。
その手には何故だか、長いロープが握られている。
「白羽部長、それ、何ですか?」