首なしアリスは■■のもの
「これって……」
「ちょっと、見張ってみたんだ。まあスマホ置いておいただけなんだけど。実は何回か撮ってて、それでわかったけどありすの家の前を頻繁に通る人物は四人いる」
咲真がムービーを早送りする。
「これは、新聞配達の人」
ヘルメットと制服を身に着けた男の人が、バイクを停めてポストに新聞を投函していた。
「で、これがランニングしてる女の人」
さらに早送りしたムービーには、タンクトップ姿の細身の人が映っている。
キャップを被っていて顔はわからないが、首筋から花のタトゥーが覗いていて、少し怖く感じた。
「後は犬の散歩してるおばあさん、それと、問題のこいつ」
そう言って小型犬を連れたおばあちゃんに続き咲真が見せたのは、小太りのおじさんだった。
忙しなく辺りを見渡して、私の家に近づいている。
そして、ポストを開けたのだ。
「わ……もしかして、この人……」
「多分、犯人だと思う」