首なしアリスは■■のもの
耳に残る反響音が、やけにうれしそうなのは気のせいだろうか。
「従ったほうがいい……のか?」
……従わずに、また仮面の集団が現れてはたまらない。
私たちは、言われたとおり庭園に行くことにした。
屋敷の扉を開いた瞬間、それは聞こえてきた。
「み、みんなっ、助けてくれっ!」
それは絶叫ともいえる、桃矢君の哀願だった。
しかしそれは叶わず、みんなは立ち尽くしてしまっている。
彼は――桃矢君は、ギロチン台の上にいた。
周りを仮面の集団が囲っていて、傍に立っている一人に桃矢君の命は委ねられている。
「桃矢……!」
助けようにも、その方法がわからない。
私たちの力では、あの仮面たちにどうあがいても敵わない。
「俺っ、あ、謝るから! だから、助け――」