首なしアリスは■■のもの
まちがいさがし
昨日は、あれからすぐに部屋に戻ってしまった。
みんなもそうだ。
立て続けにあんなことが起こっては、脳も体もついていけない。
どうしてか、すごく疲れているのに、全然眠れなかった。
考え過ぎなのか、不安のせいなのか。
自分がすごく消耗しているのを感じる。
……体が重い。
なんとかベッドから起き上がったとき、コンコン、とノックの音が響いた。
昨日のように咲真が起こしに来てくれたのかもしれない。
「はーい……」
「ありす、大丈夫?」
ドアの向こうから聞こえた声は、祐奈のものだった。
ドアを開けて話を聞くと、みんなの様子を聞いて回っているらしい。
自分も疲れているはずなのに、責任感の強い祐奈らしいなと思う。
「祐奈も、ちゃんと休んだほうがいいよ?」
いくら責任感があっても、みんなの心配ばかりしていては自分が辛いだろう。
祐奈にも、しっかり休息をとってほしかった。
「うん、ありがと。千結が心配だからもう一度会って、そしたらまた休むね」
祐奈はそう言うと、千結の部屋に行ってしまった。
彼女を見ていると、しっかりしなくてはという気持ちが湧いてくる。
でも、こんなに重い体ではその気持ちにもついていけない。
私はまた少しだけ、寝直すことにしたのだった。
次に目が覚めたのは、乱暴なノックの音のせいだった。