首なしアリスは■■のもの
珍しいメンバー四人で何やら話し込んでいる。
「行ってみよう」
咲真と共にその輪に近づく。
すると私たちに気づいた祐奈が苦い顔をした。
「あ、ありす」
「どうしたの?」
「……誰がハートの女王だと思うか話してたんだよ」
……そんな。
私たちみんな被害者なのに、疑い合うなんて。
そう思いながらも、信じきれない自分がいた。
もしかしたら本当に、ハートの女王はみんなの中に潜んでいるかもしれない。
現に桃矢君は、ハートの女王に指名されて殺されたのだ。
「ご、ごめんなさいありす! 私、ありすを疑ってた……桃矢君が処刑されたのは、ありすに手を出したからだと思って……!」
――確かに、あの処刑の放送のタイミングでは、そう思われても無理はない。
私はもしかして、ハートの女王に助けられた?
脳裏によぎったそんな考えを、慌てて打ち消す。
そんなわけがない。
ハートの女王はみんなを殺したがっていて、桃矢君を殺したような人だ。
味方かも、なんて一瞬でも思うべきじゃない。
「……みんなも、ありすを疑ってるのか?」
落ち着いた口調で咲真がみんなに問う。