首なしアリスは■■のもの

安息




 みんな、一度は思ったはずだ。

 ――自分のせいなのか?と。

 そしてその問いに、こう答えたはずだ。

 ――仕方なかった、自分のせいではない。

 そうでないとすれば、あいつのせいだ、と無理やり誰かを恨むのだろう。

 けどみんな、本当はわかっている。

 ……彼女が死んだのは、自分のせいだ。

 祐奈を信じてあげられなかったのは、自分が弱かったせいだ。

 もしそうでないのなら、祐奈の最後を見て喚いたりはしないだろう。

 恭君のように「僕のせいじゃない」なんて言ったりしないだろう。

 もし、弱くなければ。

 今の私みたいにこうやって、ひとりで塞ぎ込んだりなんかしないはずだ。

 祐奈が処刑された後、心に説明を求められた。

 しかしとても話す気にはなれず、後で教えると言って逃げ、私は自分の部屋に閉じこもった。

 おそらく数時間は経っているだろう。

 話してあげたいし、話すべきなのはわかっている。

 でもどうしても、勇気が出なかった。

 みんなが、私が、祐奈を信じなかったと知ったら、心はどう思うだろう。


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