首なしアリスは■■のもの
でも、彼女にはもう声をかけてあげることもできない。
心なりの優しさを、今はただ受け止めた。
そうして、三人で、泣いた。
白羽部長、桃矢君、祐奈。
三人も失ってしまった悲しみを、後悔を、すべて涙で流したいと思った。
このままずっと溜め込んでいたら、それに足をとらわれて先に進めなくなりそうな気がするから。
散々、気の済むまで泣いて、やっと話せるくらいには落ち着いた。
「……二人とも、目、真っ赤」
「ありすもだよ、ひどい顔」
そんなふうに、少しだけ笑い合う。
……前を向かなければ。
進もうとした、みんなのために。
しっかりと、懺悔するために。
ぽつりぽつりと始まる、いつぶりかもわからない、他愛のない会話。
こんな状況になって初めて、今までの何ということのない日常を、尊いものだと知った。
「……私ね、白羽部長のこと、好きだったんだ」
千結がふいに寂しげな声を漏らしたので、思わず心と顔を見合わせる。