首なしアリスは■■のもの
……どうしてこうなったのか、そんなの考えてもきっと、理由なんてわからない。
衣純ちゃんの復讐だとしても、誰が仕組んでいるか見当もつかない。
誰が犯人か、誰を疑えばいいのかわからない。
みんなは、何を考えているだろう。
……桃矢君も波多君も同じように、私を疑っていた。
二人の処刑のタイミングは、あまりにも似ていた。
私に危険が迫ると、それを排除するように。
……まるで、ハートの女王が、私を守っているみたいに。
私はハートの女王じゃない。
犯人の仲間でもない。
……どうして、ハートの女王は私を助けるのだろう。
けれどその考えも、間違っているかもしれない。
すべてハートの女王の気まぐれで、偶然私が助かったのかもしれない。
それか私が疑われるよう、わざとあんなタイミングで処刑しているのかもしれない。
――いくら考えても、答えなんて見つからないのはわかっていた。
どうしてそうしたか、なんて、ハートの女王本人しかわかり得ないことだ。
私は死にたくない。
誰にも死んでほしくない。
当たり前のはずのその願いは、今は相反するものなのだろうか。