2人の夢
それから、教室に蒼が戻って数日経った朝、俺の部屋から蒼の部屋を見るといつも起きてるはずの蒼がまだ部屋で寝ているのが見える。俺の部屋と蒼の部屋は隣接していて2メートルくらいは空いてる。昔は危ないと親に怒られたけどそこから行き来していた。そのため鍵をかけたためしがない。蒼は寝てる時真っ暗がいやらしく、カーテンは閉めないため、今は寝ているのが見える。俺のが先に起きるのは珍しい…

互いの家の窓を開けて、蒼を呼ぶけど起きないため、窓からお邪魔する。
蒼は額に汗をかき、ぐったりしている。
蓮「蒼!蒼おきて!」
蒼「…ん?蓮どうしたの?」
蓮「どうしたのじゃないだろ。こんな汗かいて。」
蒼の額に手を当てる。熱いな…
蓮「熱あるよ。体温測って?」
蒼「うん…」
蓮「いつから熱あるの?」
蒼「わかんない。今言われて気づいた。」
蓮「そっか。苦しくない?発作は起きてない?」
蒼「今日は大丈夫。」
蓮「そっか。ん?今日は?」
蒼「…あ。」
しまったという顔の蒼さん。
蓮「蒼さん?どういうこと?」
蒼「いや、あの、ごめんなさい!昨日の朝ちょっと出ただけ!吸入したら治ったから!」
蓮「発作起きたら教えることって言ったよね?」
蒼「ごめん!でも、退院してから調子良くて発作はその一回!」
蓮「はぁ、今どんな症状?」
蒼「怠いし、頭痛いけど、息苦しかったりしないよ。でも、夜中に気持ち悪くて吐いちゃったんだよね。」
ピピピピピッ 体温計が鳴る。37.8度の表示。
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