2人の夢

蓮side

蓮side

挿管して眠っている蒼を見ると心が辛い…倒れた状況を兄ちゃんから聞いた。なんで、抜け出すんだよ、走ったんだよ。

毎日面会に行く、蒼の目が覚めてホッとした。やっと呼吸が安定して、今日起きると思うって言われて待ってたら、蒼が起きてくれた。処置するからって兄ちゃんにカーテンを目の前にかけられた。兄ちゃんと蒼の会話が聞こえる。
なんで俺がいるのに死のうとしたんだよ。ただただ悲しくて涙が止まらなくなる…兄ちゃんにバトンタッチされてカーテンの中に入る。
蒼「ここICUだった…ごめん、蓮、私…私…あの、その、、、」
あおいの横に座って、泣いてるのを見られたくなくて蒼を後ろ向きに抱き寄せ後ろから抱きしめる。
蓮「ねぇ、蒼、もうこんなことしないでお願い…」
蒼「うん…ごめん…私、意識ない時ね、真っ暗な場所に居たんだ。怖くて、ずっと出たくてもがいてた。そしたらね、蓮の呼ぶ声が聞こえて来て、暖かくて蓮に会いたくて、手伸ばしたら、目が覚めてた。手つないで名前呼んでくれてた?フフ」
一通り話して微笑む蒼。
蓮「聞こえてたんだ…」
蒼「蓮が起こしてくれたの、助けてくれたんだよ?ありがとう。」
蓮「うん」
さっきまで頬を伝っていた涙がいつのまにか止まって、蒼を助けられたことが、わかって嬉しかった。また何もできなかったわけじゃないようだ。
あとは、蒼の心をすぐには無理かもだけど救わないと…
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