夜の声

この病院は担当する患者が
決まっていて

僕の担当はあきちゃん、という

わりと若い看護師だった

あきちゃんは他の
特におばさま達に
人気があるようで

廊下を通るたびに
あきちゃん、あきちゃん
と声がかかる

それを真似て
僕もあきちゃんと呼ぶ


あきちゃんはやさしい

職業だからなのか
本質なのか

見極めるほどの経験値は
まだ
僕にはないけれど
< 24 / 34 >

この作品をシェア

pagetop