ずっと君と、桜を見ていたい――❀.*゚
次々と出てくる言葉、しかも手話で会話をしている。
手話を覚えて良かったと、初めて実感出来た時だった。
『明日、朝からここに来るね。朝ご飯、一緒に食べよう』
『朝ご飯、僕が準備する』
『ありがとう』
夕方になると明日の約束をした。それから僕は彼女を、彼女が泊まるホテルまで送った。
僕はまた空き地に戻ると、暗くなるまで桜を見つめ、彼女と過ごした一日を振り返り、余韻に浸っていた。
次の日の朝、桜の木の前でシロと待っていると彼女が来た。
二日間続けて彼女と会えるなんて、夢をみているようだ。
『おはよう』
『おはよう』
同じ手話で会話がはじまる。
僕はコンビニで買ったおにぎりとイチゴジャムパンを『どっちが、好き?』と手話をしながら彼女に見せた。彼女はパンを手に取った。食べるか分からないけれど、卵焼きやポテトサラダのお惣菜と割り箸も並べて置いといた。シロの朝ご飯と水も持ってきたからお皿に入れて並べる。
『食べて、いい?』
『いいよ』
彼女は僕が選んだお惣菜を食べてくれた。
『これから、どうするか、考えているの?』
昨日は過去の話をしたから、今日は未来の話を彼女に問いかける。だけど彼女は何も答えない。難しい質問をしてしまっただろうか。言い終わってから、言わなければ良かったと思うことはよくある。今もそうだ。
彼女はじっと桜を眺めた。桜を眺めている彼女を僕は見つめる。彼女の瞳は桜色に染まっていた。桜の木を眺めて動かなくなった彼女。僕は彼女の肩を優しく叩いた。
彼女はこっちを向く。
『今、恋人、いる?』
僕にとっては踏み入った質問で、緊張した。
『いない』と、彼女は答える。
その答えにほっとした。
もう一生会えなくなるかもしれないから、どうせなら、正直に気持ちを伝えよう。
手話を覚えて良かったと、初めて実感出来た時だった。
『明日、朝からここに来るね。朝ご飯、一緒に食べよう』
『朝ご飯、僕が準備する』
『ありがとう』
夕方になると明日の約束をした。それから僕は彼女を、彼女が泊まるホテルまで送った。
僕はまた空き地に戻ると、暗くなるまで桜を見つめ、彼女と過ごした一日を振り返り、余韻に浸っていた。
次の日の朝、桜の木の前でシロと待っていると彼女が来た。
二日間続けて彼女と会えるなんて、夢をみているようだ。
『おはよう』
『おはよう』
同じ手話で会話がはじまる。
僕はコンビニで買ったおにぎりとイチゴジャムパンを『どっちが、好き?』と手話をしながら彼女に見せた。彼女はパンを手に取った。食べるか分からないけれど、卵焼きやポテトサラダのお惣菜と割り箸も並べて置いといた。シロの朝ご飯と水も持ってきたからお皿に入れて並べる。
『食べて、いい?』
『いいよ』
彼女は僕が選んだお惣菜を食べてくれた。
『これから、どうするか、考えているの?』
昨日は過去の話をしたから、今日は未来の話を彼女に問いかける。だけど彼女は何も答えない。難しい質問をしてしまっただろうか。言い終わってから、言わなければ良かったと思うことはよくある。今もそうだ。
彼女はじっと桜を眺めた。桜を眺めている彼女を僕は見つめる。彼女の瞳は桜色に染まっていた。桜の木を眺めて動かなくなった彼女。僕は彼女の肩を優しく叩いた。
彼女はこっちを向く。
『今、恋人、いる?』
僕にとっては踏み入った質問で、緊張した。
『いない』と、彼女は答える。
その答えにほっとした。
もう一生会えなくなるかもしれないから、どうせなら、正直に気持ちを伝えよう。