ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした

クリスマスイブは、やるせなさとともに

前日の、クリスマスイブの夜。



テレビ画面に映したアダルトサイトの動画をぼんやり眺めながら、凛はシャンパンボトルの蓋を開けた。
グラスに注ぎ、一気に煽る。甘ったるい味のアルコールが喉元から胸をジワリと温め、やるせなさも体いっぱいに広がった。

昼間の記憶が蘇り、思わず眉間にしわが寄る。

「いつも冷静でクールな涼風さん」と呼ばれている凛も、今夜ばかりは表情を崩さずにはいられない。


透き通るような白い肌と、切れ長な目元。
凛は美人と褒められはするものの、感情を表に出すのが苦手なこともあり、さっぱりしている、とか、冷たい、とかいった印象を周囲に与えていた。
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