ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「翼くん。君が人間としての生が与えられた限られた期間の中で、やれるだけのことをやるしかないよ。他の人間たちがそうしているようにね」

岸辺は黒く染まる夜空を見上げた。

「申し訳ないがこれから僕は忙しい。東京で三日後、トンネルが崩落して電車事故が起きるんだ」

岸辺は言うと、河原を歩いて行った。カラスの群れが方々に羽ばたきながら、岸辺の動きに合わせて上空を移動していった。
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