ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
もう会えない両親の無念をどうしたら自分が消すことができるのか、晴らすことができない無力感とやり場のない怒りが、凛の内側でのたうち回る。

「死にたくないって言ったのに殺したのね」

「殺したわけではない。ただ、身体から魂が離れる後押しをした」

「それを、殺したって言うのよ」

凛は言って、翼の顔を睨んだ。
今までに見たこともない、怒りと憎しみのこもった目でみつめ、すぐに視線をそらした。

翼は言葉を継ぐことができなかった。立ち尽くしていると、凛は呻くように言った。

「出て行って。顔も見たくない」
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