ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
なぜ翼は、両親と彼とのただならぬ関係について、あえて打ち明けたのだろう。

何も言わずにいてくれたならよかったのに、と心の中で翼をなじった。

けど、そんな大きな咎を抱えたまま、全身で愛し合えるはずがない。
かといって翼が開示した真実は、受け入れるにはあまりに残酷で、翼を愛する気持ちを変わらず持ち続けることができるようなものではなかった。両親を殺した男を、とうてい愛することなどできない。
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