ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「あなたが飛び降りようとした瞬間、翼くんは死神として、地上に現れた」
「それは聞きました」
凛が返すと、岸辺はうむと頷いてから続けた。
「人間が死ぬ瞬間っていうのは、その人が持ちうる以上の、膨大なエネルギーが必要なんだ。とくに、自殺はね。
死にたい衝動に突き動かされたり、はっきりとした理由をもって自死を選んでも、実際に絶命するには、相当な力がいるんだ。
人間としての機能が停止するほどの衝撃、圧力、そういった圧倒的な外部的な力を、自ら引き起こさなければいけないからね。とうてい自分自身の力だけでは無理なんだ。
そんな時に死ぬためのエネルギーを与える役、それが死神だ」
「それは聞きました」
凛が返すと、岸辺はうむと頷いてから続けた。
「人間が死ぬ瞬間っていうのは、その人が持ちうる以上の、膨大なエネルギーが必要なんだ。とくに、自殺はね。
死にたい衝動に突き動かされたり、はっきりとした理由をもって自死を選んでも、実際に絶命するには、相当な力がいるんだ。
人間としての機能が停止するほどの衝撃、圧力、そういった圧倒的な外部的な力を、自ら引き起こさなければいけないからね。とうてい自分自身の力だけでは無理なんだ。
そんな時に死ぬためのエネルギーを与える役、それが死神だ」