ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「死神が迎えに来て、人が死ぬのでは?」

凛が問うと、岸辺は首を横に振った。

「翼くんがご両親を殺したわけではない。お二人の死は、すでに決まっていた。あの場に翼くんが現れたのは、自然の摂理によるものなんだ」

「じゃあ、翼さんの意志で殺したのではないのね?」

岸辺はうなずいた。

「そもそもそんなこと、翼君には無理なんだよ」

「私を助けたのはどうして?」

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