ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
───私は自分の幸せから、目を背けてきた

そしてついに、自ら死のうとまでした。こんなことは絶対に、両親が望んでいなかったはずだ。

きちんと自分の幸せを、自分でつかまなければいけなかった。
翼は、そのことを凛に気づかせるために姿を現したのではなかったか。

凛は震える涙声で、ごめんなさい、を繰り返した。
幸せを取り逃したことを両親にあやまりたかった。
本音をぶつけることもなく決別してしまった拓斗や夏美にあやまりたかった。
身を挺して凛を救った翼に、あやまりたかった。
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