ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
ウールのコートを羽織って玄関ドアを出る。エレベーターでロビーに降り立つと、エントランスに翼が立っていた。

凛は硬い表情で、翼に近づいた。
翼はぎこちない動きで凛の前に立ち、おはよう、と言った。

「凛、仕事、がんばって」

翼が言うと、凛は顔も見ずにうなずいた。

「昨日は、どこに?」
「ずっと、近所をうろついてた」
「そうだったの」
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