ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした

「翼さんどうしたの、目が」

「ああ、わからない。胸が苦しいんだ」

「大丈夫?」

「そうじゃなくて、体の中のどこかが、いろんな感情で震えてる」

凛は翼の手を取って歩みを引き留めた。胸にぴたりと頬を付け、背中に手を回した。
翼の腕の中に納まったまま凛は彼を見上げた。
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