ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「翼さん、わたしも、いろんな気持ちでいっぱいだよ」

凛は言ってから、唇を少しむずむずとうごかしたあと、ひゅっと息を吸い、言った。

「愛してる」

ああ、そうか。僕も、凛を愛してるんだ。翼は凛を抱く腕に力を込めた。

「俺も、愛してる」

「もう行かないと、電車に遅れちゃう」

凛は微笑んだ。
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