ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
翼は何かに引かれるように凛のあとを追って改札をくぐった。

「電車が来るまで一緒にいるよ」
「ありがとう」

凛はくすぐったそうに笑った。

ホームに立つと頭上におびただしい量のカラスが飛んでいた。

「なんだろう。なにかあったのかな」

凛が見上げた。
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