ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした

凛の死神だけは彼女のそばにもどり、再びにぴたりと彼女の隣に寄り添っている。

死神は駅員の制止を振りほどき待合室の扉を開けると死神の腕をひっとらえて休憩室から引きずり出した。
周囲の人々には死神の姿は見えない。

錯乱した男が一人で暴れまわっているようにしか見えないのだ。

凛はホームを舞うように駆けまわる翼を追いかけた。電車の音が、近づいて来る。
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