ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「でも僕は、二番目だろ」

「ショウちゃんだって、一番が私じゃないでしょ?奥さんのミホちゃんでしょう」

凛はふふふ、と笑ってまた、天井を見上げた。

白い無機質な空気の中を、翼は、形も成さないまま漂っていた。

四角い小さな病室には、凛と、男が二人、手を握り合っている。

凛は瞳をじっと天井に向けている。その視線の先に、翼は空気の流れに溶け込んで浮遊していた。
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