ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
実態を失った翼は、凛を見守り続けた。

翼の亡骸を、ひとり見送る凛。

日々、淡々と出勤し、黙々とまじめに働く凛。

鳥海拓斗とひざを突き合わせ、真剣に話し合う凛。

夏美と一晩中話し込み、怒ったり泣いたりして、最後には夏美と抱き合って笑い合った凛。

嘔吐と食欲不振に苦しむ凛。

次第にお腹が大きくなり、それに従って顔が穏やかになっていく凛。

翼の写真を見つめて微笑む凛。

大きなおなかを抱え、一人買い出しに行く凛。

産気づき、凛以上に慌てふためく拓斗の車で、産院に運ばれる凛。

汗まみれで苦しみながら助産師の手を握り、小さな男の子を生んだ、凛。
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