ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「岸辺さん、俺が凛と温泉旅行に行ったとき、河原で話したね」
「ああ、そんなことがあったね」
「あのとき、俺に知らせるために来たんだろう?トンネルの崩落事故のこと」

「死神が人間を生かそうとするなんて、どうかしている。でも君ならやるのだろうと思ったんだ」
岸辺はにっこりと笑った。

「死神と人間が愛し合うことも、まれにあるんだよ」

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