ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
翼はうなずき、病室へと入った。



「翼さん?」

凛が微かに横を向いて、かすれた声で言った。

「いるの?」

骨と皮だけになった凛は、全ての生のエネルギーを余すところなく使い果たしたように見えた。

「ここにいるのね?・・・やだな私、しわしわで恥ずかしい」

約束を守り、凛は生き抜いた。その姿は光を纏ったように美しく翼の目に映った。

「きれいだよ、凛」

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