ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
怒り、嫉妬、悲しみ、あらゆる負の感情が心の奥で煮詰まり醸成し、混ざり合い、どろどろになって腐臭を放っているかのようだ。

涙も出なかった。動悸が激しくなり、吐き気がする。




「ああ、もういいや」

無意識につぶやいた、やけにあっけらかんとした声が、がらんとした部屋に響いた。

ふらりと立ち上がり、ベランダの窓を開く。

クリスマスの夜空の空気は澄んでいて、遠くのイルミネーションのきらめきまでが凛の目に眩しく映った。その光一つ一つが、先ほどのグループラインで届いた写真のような幸せなひと時を照らしているに違いなかった。
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