ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「ごめんね。私、拓斗が凛と私に二股かけていること、ずっと凛には言えなかった」
「二股?」

目の前のテーブルが斜めに傾いた気がしたが、それは凛を突然襲っためまいだった。あまりの驚きに、まっすぐに座っていることができなかった。

「今朝起きた時、ベッドの中で拓斗が、凛よりも私のほうを好きになっちゃったって言いだしたの・・・もう私、どうしたらいいかわからない」

すすり泣きが、声をあげる号泣に代わった。

<今朝起きた時ベッドの中で拓斗が・・・>という言葉が、頭の中にこだまする。今朝、二人は一つのベッドで寝ていたというのか。にわかには信じられないことだった。

凛は、動揺しているにもかかわらず、周囲の心配の目のほうが気になって、テーブル越しに腕を伸ばして夏美の背中を撫でた。
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