ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
美しく強靭な、成熟した肉体を持ったこの男が、まるで生まれて初めてのことのように戸惑う様は、凛の独占欲だけでなく母性本能までもを刺激した。

この正体不明の男と一つになってみたいという欲求に、凛の体が支配されていく。

甘い刺激に従順すぎる死神は、これまで見たどんな男よりも儚く妖艶なのに、抱きすくめてくる腕はがっしりと硬く、腕を回した背中は分厚い。

そのギャップは猛烈な破壊力をもって凛の欲情を突き動かした。
この死神を支配し、死神に支配されたい、そんな欲求に凛の胸が震えた。

凛は、カーペットに仰向けになった死神の、腰骨のあたりに跨った。ため息とも歓喜の声ともつかぬ声を、二人同時に上げた。互いの濡れた薄い肌が絡み合う。
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