ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
死神は迫りくる快感から逃げるように顔を横にそむけた。頬には淡い紅を刷き、初めての恍惚に戸惑うように長い睫毛を震わせている。

逞しさと儚さをないまぜにしたナチュラルなあざとさを纏った死神の姿が、凛を煽った。

「体が、おかしい」
死神が吐息を刻みながらつぶやく。

凛は上半身を倒し、荒い息で上下する死神の胸板に体を押し付けた。死神の動きに合わせて動きながら、死神に頬を寄せて囁いた。

「これが、気持ちいってことです」

両手をつなぎ、ぎゅっと握りあう。死神は凛の瞳をじっと見つめたまま体を反り返らせて果てた。
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