ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
───死神保護団体 架け橋 理事長 岸辺亘


「昨晩あなたのもとに死神が来たと思うんですが・・・」

凛は男の言葉を遮るようにエントランスのオープンボタンを押した。

警察が駆け付けたり、死神を探す見知らぬ男が家に押しかけたりするのを近所の住民に見られたら、ここにはいられなくなる。
それだけは避けたいと思った凛は、カーディガンを羽織るとドアを開けて男を待ち構え、周囲から隠すように素早く迎え入れた。

「あの人とあなたはどういう関係ですか」
「死神と、死神と人間の架け橋をする者です」
凛が尋ねると、岸辺と名乗る男は改めて名刺を差し出してきた。
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