ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「鳥海拓斗に返金を要求しに行く。鳥海は今どこにいる」

鋭い目つきで詰め寄られ、凛は気圧されるように即答した。

「今日は鳥居ホテルにお泊りと聞いてますが」
「行くぞ」

死神の長い指が、凛の白い指と絡み合う。手を引かれてエレベーターを降り、エントランスの車寄せで待っていたタクシーに乗り込んだ。

鳥居ホテルはお台場の海に面した場所に立つ新しい話題の高級ホテルで、窓からレインボーブリッジが見えるデラックスルームは予約が取れないという噂のスポットだった。

ロビーはマホガニーを基調として照明を落としたシックな内装で、まるでオーセンティックバーのような落ち着いた雰囲気だ。コンシェルジュも丁寧で上品な対応で、都会の喧騒の中で心休まる空間が演出された素晴らしいホテルだと凛は思った。
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