ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
死神は表情を変えず拓斗に何か話している。拓斗の方は正反対に、みるみる顔面を蒼白にし、きょろきょろと視線を泳がせながら死神の言葉にうなずいたり首を横に振ったりしている。その後、拓斗は小走りにどこかに消え、しばらくすると封筒を持って死神の元に戻った。
死神はおどおどする拓斗をロビーのソファに座らせ、なにやら書面を見せて拇印を押させると、胸ポケットにそれをたたんで入れ、茫然と座っている拓斗を背に立ち上がった。
「あれ?凛じゃない」
呼ばれて振り返ると、夏美が笑みを浮かべて立っていた。目元に詮索するような、からかうような色をたたえて近づいて来る。
「凛もお泊り?それともまさか・・・拓斗に会いに来たわけじゃないよね」
この期に及んでまだ未練があるのか、という驚きを含ませて、夏美は目を見開いた。直後、可哀想なものをいたわるような目つきに変わる。
死神はおどおどする拓斗をロビーのソファに座らせ、なにやら書面を見せて拇印を押させると、胸ポケットにそれをたたんで入れ、茫然と座っている拓斗を背に立ち上がった。
「あれ?凛じゃない」
呼ばれて振り返ると、夏美が笑みを浮かべて立っていた。目元に詮索するような、からかうような色をたたえて近づいて来る。
「凛もお泊り?それともまさか・・・拓斗に会いに来たわけじゃないよね」
この期に及んでまだ未練があるのか、という驚きを含ませて、夏美は目を見開いた。直後、可哀想なものをいたわるような目つきに変わる。