ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした

クリスマスの夜 スイートルームで

金銭問題、裏切られた悲しみ、友人に大切なものを奪われた悔しさ。

ひとりではどうすることもできないほど絡み合ったそれらの重荷を解き、翼は借金という荷を凛の肩から下ろしてくれた。

それをきっかけに今、ずっと胸にしまい込んで膨らんでしまった負の感情が、さらさらと水のように姿を変えて、体から落ちていくような心地がした。

これほどまでに一人でいろいろなものを背負い込んでしまったのはなぜなのだろうと凛は思い返す。自分の両親が元気でいたのなら、どんな話でもできていただろうか。弱い自分を見せることができたのだろうか。

「翼さん、お礼を言わせてください」

凛は翼とまっすぐに向かい合い、じっと目を見た。翼は一瞬戸惑った顔をしてからうなずいた。
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