ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
「私なんかのためにこんなふうにいろいろと助けてくださって、ありがとうございます。私、たくさん間違ってきました。拓斗のギャンブル癖を止めることができませんでした。私は私で仕事が忙しいからと、問題から目を背けて、お金が無くなっていっても、頑張って働いて昇給すれば、問題も解決するって言い訳して、仕事ばかりに目を向けていました・・・」

「そのくらいでやめておけ。お前の反省など俺は聞きたくもない」

凛の言葉を、翼は苛立たし気に遮った。

「え?」

「もう全て終わったのだから鳥海拓斗のことは忘れろ。いいな?」

「はい・・・努力します」

「努力じゃない。今すぐ忘れろ。お前が鳥海拓斗のことを考えていると思うだけで、俺は気分が悪いんだ」
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