ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
死神はネクタイを解いてベッドの横に置かれた一人掛けのソファに放り投げると、凛を抱き寄せ、ベッドに横たえた。

「俺がお前のことばかり考えているように、お前も俺のことだけを考えろ」

長いしなやかな指が、凛の服を一枚一枚開いていく。白い薄地がとりさらわれてあらわになった胸のふくらみにキスを落としながら、ブラウスが腕から抜き取られ、ブラジャーのホックが外された。

昨晩まで自分の体の反応に戸惑っていた翼と、今こうしてよどみない動きで凛の服を脱がせていく手技とが、同じ男のものとは思えなかった。

すべてを委ねてしまいたい、スムーズなリードに、何も始まらないうちからすでに体が蕩けそうな感覚に陥った。
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