ズタズタに傷ついた私に滾る溺愛をくれたのは、美しい裸身の死神でした
翼は、一糸まとわぬ姿でベッドに仰向けになった凛を組み敷き、その華奢な体を見下ろした。


凛の手足はほっそりと長く美しかった。尻も胸も丸い形を帯び、はりのある乳房は天井に向かって桃色の先端をツンととがらせている。ウエストは触れれば折れそうに細かった。

肉感的というよりは、清潔で無垢な体といえる。

まるで踏み荒らされる前の積もったばかりの粉雪のように白く、触れれば崩れてしまいそうなか弱さをはらんだ体だった。

感情を表に出さない我慢づよい凛の、真の姿を、この時初めて見た気がした。

本当は繊細で優しくて、傷つけ傷つけられることを、誰よりも恐れている。それが凛の本当の姿のように思えた。

「そんなにまじまじ見ないでください」
恥じらう凛の頬に翼は優しいキスを落とした。
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